寺子屋開設講座を受講いたしました

6月20日は別院真福寺にて「寺子屋開設講座」の勉強会に参加するため朝から東京に向かいました。

当山、長福寺も久喜市の田舎といわれる場所に位置しており、寺離れという言葉には程遠い地域と考えていましたが、知らず知らずのうちに、そして自然と寺離れが進行していることに気づいていなかった…いや、何となく分かっていても向き合わなかったのかもしれません。

しかし、寺離れは確実に長福寺にも、いや全国のほとんどの寺院に、ゆっくりと確実に迫っています。

副住職を務めている私が、何となくは気づいていましたが、このことに真剣に向き合ったのは、つい最近です。今までは住職に「おんぶにだっこ」で、もう一つの仕事であった市議会議員(補欠選挙を含め5期16年勤め今年4月に勇退)の仕事に専念するあまり、寺院の会計から実務、檀家管理から寺院運営の殆どを行ってきませんでした。

しかし、住職が体調不良で法務を退いてから寺院全般の仕事を把握しつつ全体を把握するにつれ、恥ずかしながら長福寺における寺離れに気づきました。

長福寺の寺離れは檀家離れだけではなく、地域からも離れています。ひと昔前にはあった小さなお祭りの廃止、イベントの縮小、何より寺から子供たちの姿が消えてしまい、本来の寺ではなく「墓地を管理する建物と土地」と化している現実です。

従来、寺院は昔から、家庭や地域社会の要請をうけ「農繫期の託児所」「幼稚園や保育園」「日曜学校」「子ども会」といった活動を通して、地域や子ども達と係わって来たのが従来の寺院であったはずです。また、寺子屋という言葉は江戸時代から使われています。

今回、「寺子屋開設講座」で勉強させていただき、少しでも自坊のコミュニティ回復の為に役立てたいと考え、この勉強会に参加させていただくことと致しました。

「寺子屋開設講座」の目的は、自坊での寺子屋の開設に向けて、活動プログラムを体験し、開催のためのノウハウを学び、子供たちと活動するための指導法を身に付けることとなります。

それでは、講習会の内容を若干ご紹介いたします。

先ずは、講義「寺子屋活動をはじめよう」と題し、活動事例を通して寺子屋活動のイメージをつかむ講義となります。

講師は同じ埼玉第5教区で大変お世話になっております。杉戸町にある宝性院 住職の高岡邦祐 教化センター専門員です。

寺子屋の基本的なことから、何が求められ何を求めていくのか等、多くの事例をあげてのご講演をいただきました。

次に、昼食でも寺子屋体験の一環として子ども向けの食前食後の食作法(じきさほう)を用いて昼食となりました。

次に、寺子屋体験として本堂に場所を変え受講者が子ども役となり寺子屋の模擬体験をし、その運営や指導のノウハウを学びます。

体験では、寺子屋の開講式から閉講式まで実際の運営の流れを模した模擬体験を行いました。

今回の模擬体験では、アイスブレイクゲーム(参加者打ち解けゲーム)・写仏灯ろうづくり・修業の時間体験・献灯式リハーサル・念珠づくり、閉講式と献灯式といった多くの模擬体験を学びながら、運用方法についても多くの勉強と発見がありました。

次に、企画・広報・安全対策について、講義を受けました。

こちらの講義でも企画の流れから、広報の有効な手段、安全対策の保険から気を付けるべき点の指摘など、実践における事例を題材に数多くの発見がありました。

今回の、寺子屋開設講座では今までの伝統伝承の宗派研修とは違い、時代にあった進化を続ける現代社会における寺と地域、そして子どもたちとの関わり方を学んだ大変素晴らしい勉強会となりました。

最期に、終了證をいただき講演は終了致しました。

今後、長福寺での寺子屋開催のための良い研修となりました。